以前葬儀を勤めた喪主ご夫妻は、ともに聴覚が不自由な方でした。お通夜には、ご友人の同じ障がいの方たちがお参りしていた様子。法話のときに突然、手話をされる方が前に出てこられて同時通訳。下手な言い回しをなるべくしないようにお話ししたけど、訳しにくかっただろうなぁと反省。
翌日の葬儀も同じように同時手話通訳。「表白」といって、葬儀の意義などを読み上げるのも手話にされて…。「本日ここに○○の~」と格式ばった言い回しに、「これじゃ伝わらないよな~」と改めて気付かされるばかり。
夕方の初七日にお経の意訳本を持って行って「儀式の間に読んでください」とお渡しした。だいたい、中国語に翻訳されたものを漢文そのままに棒読みしているのが今の現状。聞こえる人にとってさえ、儀式だけで教えの内容なんて伝わるはずがないよね。
経典読誦後は法話をするから、儀式は「教えを伝える場」と思っていたけど、やっぱり不十分。いかにお伝えしていくか、改めて大きな課題を突きつけられました。