お内仏のおかざり

お内仏(仏壇)は寺院の本堂を縮小したもので、 真実の世界、浄土を表現したものです。
お荘厳(おかざり)には定められた作法があります。

本尊 脇掛 脇掛 法名軸 法名軸 宮殿 金灯籠 金灯籠 須弥壇 上卓 華瓶 華瓶 火舎香炉 前卓 花瓶 土香炉 燭台 木臘 輪灯 輪灯 御文箱 和讃卓 ?・鈴

本尊(ほんぞん)脇掛(わきがけ)
①阿弥陀如来立像をおかけします。お名号やお木像の場合もあります。ご本尊がお内仏の中心です。ご安置されていなければお内仏ではありません。
②右側には「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号または親鸞聖人の御影をおかけします。
③左側には「南無不可思議光如来」の九字名号または蓮如上人の御影をおかけします。

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法名軸(ほうみょうじく)
④ご法名を軸に仕立てて側面におかけします。位牌は用いません。
⑤歴代のご法名は合幅にします。正式ではありませんが過去帳で代用することもあります。

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宮殿(くうでん)
須弥壇の上にご本尊をご安置する仏殿を設けます。羅網(飾りのついた天蓋)を吊るすこともあります。

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金灯籠(きんとうろう)
尊前に一対吊るし、照明とします。お勤めのときに点灯します。

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須弥壇(しゅみだん)
古代インドの世界観による全宇宙(三千大千世界)の中心にある須弥山(しゅみせん)をかたどったもの。ご本尊を安置します。

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上卓(うわじょく)華瓶(けびょう)火舎香炉(かしゃごうろ)
⑨須弥壇の上、ご本尊の前に置き、華瓶・火舎香炉・仏器(お仏飯)をおかざりします。
⑩水を入れてお供えします。浄水である証しとして樒(しきみ)をさします。お茶などは供えません。
⑪本来は焼香に用います。正面中央に一本の足がくるようにします。小さいので実際の焼香には別途大き目の香炉を準備するのがいいでしょう。

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前卓(まえじょく)花瓶(かひん)
土香炉(どごうろ)燭台(しょくだい)木臘(もくろう)
⑫須弥壇の前に置き、花瓶・土香炉・燭台をおかざりします。
⑬松などを真として、四季折々の花をさします。生花を用いてください。
⑭陶製の香炉で、お勤めのときに燃香します。線香は適量を香炉の大きさに応じて折り、立てずに寝かせて置きます。正面中央に一本の足がくるようにします。
⑮鶴亀のものが用いられます。亀の尾が手前を向くように置き、鶴がくわえる蓮軸は、実が正面になるようにします。立燭するのはご命日や法要時のみです。
⑯平常時、木製のろうそく(朱色)を立てておきます。

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輪灯(りんとう)
勤行のときに灯火します。

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御文箱(おふみばこ)
蓮如上人の『御文』を入れるための箱です。

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和讃卓(わさんじょく)鈴(りん)
⑲いわゆるお経机です。勤行本以外のものは置きません。
⑳勤行時以外は打ちません。打つとき以外バチは中に収めておきます。

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お仏飯
盛槽(もっそう)を用いて円筒形(蓮の実状)に盛ります(お西は蓮のつぼみ状に丸く盛るそうです)。
朝の勤行後、ご本尊と御影(九字十字名号の場合は不要)それぞれの前にお供えします。
さらに法名軸にお供えしても結構です。
お昼に下げます。

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打敷・供笥
報恩講やお彼岸、お正月やお盆、年回や祥月などの法要のとき、上卓前卓それぞれに打敷をかけます。
また、供笥(くげ)に白餅(らくがん等代用可)を重ねてお供えします。
これを杉盛華束(すぎもりけそく)といいます。
いずれも平常時は必要ありません。
おもちの数に決まりはありません。適量を盛ります。

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不可欠なもの
*ご本尊(①)
*お仏飯を盛る仏器
*花瓶(⑬)
*土香炉(⑭)
*燭台(⑮)
*木臘(⑯)
*鈴(⑳)
これだけそろえば立派なお内仏です。箱がなくてもかまいません。
あとの仏具はそれぞれの事情に応じてそろえていただければ結構です。
真宗門徒は「正信偈」をお勤めします。(般若心経などはおつとめしません)
『真宗大谷派勤行集』をお求めください。仏具店にもありますが、
東本願寺出版部
のサイトで注文できます。CDもあります。

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不必要なもの
*位牌(葬儀で間に合わせに使用する事がありますが正式なものではありません)
*茶湯器やグラス(お茶やお酒は供えません)
*遺影・遺骨(娑婆のお姿や形見をお浄土のおかざりとして用いることはいたしません)
*おふだ・お守り・縁起物など(真宗門徒には必要ありません)

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■ お内仏の意義
直接に亡き方を祀る祭壇ではありません。除災招福を祈るところでもありません。ご本尊をご安置するところです。家庭を衣食住の場だけでなく、教えにわが身を問う道場とする意義があります。したがって「家に亡くなった人がいないから仏壇はありません」などというのはおかしなことですね。
亡き方のご法名をおかざりするのは、亡き方は諸仏となり、私たちに仏縁を与えて下さるからでしょう。
■ 安置する場所
お参りしやすい場所であれば、どこにご安置してもかまいません。また、方角などが決まっているわけではありません。部屋にあわせた大きさのものを求めてください。いつ購入しても結構です。
■ 法要のとき
事前にお内仏を清掃し、仏具のお磨きをします。打敷と供笥(くげ)は前述のとおりです。お焼香ができるように香炭と質のいい抹香を準備しておきましょう。
前卓の上、⑬⑭⑮を三具足といいます。花瓶と燭台が一対ずつそろっていれば、
⑬⑮⑭⑮⑬とならべて五具足のおかざりができます。
ただし御正忌報恩講などの重い法要のときに限ります。