六字名号

By   2014年2月25日

ご門徒の年回法要をお勤めしてきた。
このお宅はかつて拙寺のあった土地の隣にある古くからのご門徒。
50年前に寺が移転。
旧境内地は宅地や道路になっていて、寺の面影は皆無だ。

そもそも当寺は、井上法光寺として創建された。
寺伝によれば、蓮如上人の直弟子となった天然は、
法光寺開基に当たり、蓮如真跡の名号数幅を下付したという。
のち法光寺は田川に移転し、跡式の当寺は真念寺の寺号を許された。
ならば、その名号が一幅くらい残っていても不思議ではない。
しかしそれらしきものは全くないのだ。
mara
今日のご法事のお宅に、蓮如の六字名号が掛けてあった。
寺に残ってなくとも、隣地の篤信の門徒のうちにあっても不思議ではない。

「この名号は古いものですか?」
「相当古いよ」
「箱はありますか?」
「ありますよ」

紙箱を見るとやけにきれいだ。
きっと表装し直したに違いない…。
中の桐箱が出てきて、ここで私の妄想は終わった。

「若いころ、勤め先に物売りが来て買ってやった」とさ。

おわり。


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